皆さんが集まる場所、勝善寺
皆さんが集まる場所、勝善寺
2014.11.25
田中嘉一さん
みなさん、こんにちは。私は二部の田中嘉一と申します。住職から「正信偈」のお勤めを始めたわけを話してほしいということで、ことわったんですけれども、どうしてもやってほしいと。ダメだダメだ、今はやりの文句で「ダメよ~ダメダメ」と言ったんですよ。それは冗談だけどね。どうしてもということだったので、引き受けたわけでございます。
十数年前ですかねえ。女房と相談しまして仏壇を購入することになったわけでございます。別にどうってことないですけどね。それで購入したわけですけど、立派でさ、どうして拝んで良いかわからなくて、住職にお願いして教わったんですね。
教わってもなかなかうまくいかねんですね。そうしたら住職が「毎日お勤めすれば上手になるよ」と言うんで、毎日やったんですけど、なかなか上手くいかねんですね。ある時「正信偈」のお勤めしてましたら、女房が後の方で洗濯物を干していたんですけど、笑うんですよね。下手だから。悔しったですけど、どうしようもないですね。下手だから。
それでも毎日お勤めを続けていると、ある時お勤めが終わってひょいと後ろを見ると孫が3人ちょこんと座っていんですね。三人とも。「こりゃーいいなあ!」と感激したです。それで「いっしょにやろうか」と言ったんですけれど「おじいさん、やらない」と言うんですね。そんで女房に聞いたら「じいちゃんより孫の方が上手いや」と言うんですね。あれには参りましたね。
そう言った女房も、三年前に68歳で他界しました。
この秋、稲刈りが終わって掛け乾しをつっかけていたら自然と、「正信偈」が出てきたんですねえ。「帰命無量寿如来・・・」と、でかい声で。
そうしたら娘が「お父さん、気持ち悪いからやめてよ」と言うんですよ。
だけどやめるわけにいかねえですからね。せっかく始めたもんですからねえ。それでずうっと最後までやりましてねえ・・・。
毎日かかさずお勤めしていますけど、これが得か損かわかりません。けど、私はいいじゃねえかと思いますね。声がでますよ。だからみなさんも、ぜひやってください。
そこで一句作りました。「皆さんが集まる場所、勝善寺」。
終わります。
報恩講2014.11.25 寺報第92号より