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住職のことば

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勝善寺 後藤の龍より 聞法会

勝善寺 後藤の龍より 聞法会

2023.03.04

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標題は、南房総市平群にお住まいの小澤明義氏が詠んだ句です。それを私に伝えてくれたご門徒の川名喜昭氏は「季語がないから俳句と言えないかもしれないが」と仰いましたが、この句は私の思いを代弁してくれていると、嬉しくなりました。
「後藤の龍」は、本堂向拝(ごはい)にある彫刻(写真)です。房総の名工後藤義光最後の作品で保存状態も良く、彫刻として素晴らしいのだそうです。だからこれを目当てに寺を訪れる人は、けっこういらっしゃるのです。しかし聞法会はというと・・・。

ところで皆さん、写真に映った自分の顔にオヤッと思ったことありませんか。
チコちゃんが「それが本当の顔だから!」と、教えてくれました。チコちゃんは、ご存じの通りNHKの「チコちゃんに叱られる」の五歳の女の子です。
いつも鏡で見ている自分の顔と写真に写った顔では、左右が逆になるから写真の顔に違和感を持つのだそうです。
あるいは、これは私のことですが、理容師が散髪し終えると「これでよろしいですか」と頭の後ろを鏡で見せてくれるのです。私は毎回ここでギョッとします。後頭部の髪の無いところを見てしまうからです。信じられないかもしれませんが、ふだんは気にも留めていないんですよ。自分では見えませんからね。

聞法会の法話は、仏さまの説法。本当の自分を知らされ、オヤッと思ったりギョッとしたり、当たり前が有り難いことだったと驚き、欠点を指摘されると腹が立ちますが同じ言葉を聞いてもうなずいてしまう。
これは、思いや常識を超えた仏法に触れたからでしょう。
そこが聞法会の妙味。味わった者だけがわかる喜びです。

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